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アフターサービスと瑕疵担保責任の違い
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住宅メーカーのパンフレットなどには「アフターサービス充実。20年の長期保証」といった謳い文句が盛り込まれている。実は、このアフターサービスと長期保証というのは、厳密には別のものだ。アフターサービスというのは、住宅メーカーや不動産会社などが各業者ごとに独自に提供しているサービスのことで、必ずしも法的な裏付けはない。不具合の補修を頼んでも、なんだかんだと理由をつけて何もしない業者もいれば、定期的な点検をしたり、電話一本で駆けつけて手厚くケアしてくれる業者もいる。各業界団体でアフターサービス基準などを設けているが、それに従ってきちんと対応してくれるかどうかは業者の企業姿勢次第ということになる。これに対して「長期保証」のほうは、民法や宅建業法、品確法などに定められた瑕疵担保責任に基づいている。瑕疵があった時には業者は無料で修繕しなければならない義務がある。両者の違い、内容をよく確認しておきたい。
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盛土と埋立地の地盤には要注意
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住まいを建てる場所としては、できるだけ台地などの良好な地盤を選ぶのが賢明だが、なかなかこうした地域では新しい土地が出てこない。新規に取得する場合は、山林の斜面を造成したり、田んぼや低湿地を埋め立てたりして、新たに開発された宅地を選ばざるを得ないのが現実。このような人工的に手が加えられた地盤は要注意だ。特に斜面の造成地では、盛土の地盤に気をつけよう。地山を削った跡の切土地盤は問題ないが、盛土のほうは十分に締め固めされていないと、敷地が不同沈下して建物が傾いたりねじれたりするおそれがある。一見すると平坦な高台の造成地でも、谷筋や窪地を埋め戻して平らにした区画が含まれていることがある。また、埋立地も地震の際に液状化の影響を受ける可能性がある。盛土や埋立地などの地盤の不安定な地域は『土地条件図』で調べられる。土地条件図が作成されていないエリアの場合は、自治体の建築指導課などに問い合わせてみよう。
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工事中のチェックは行政・業者に頼らない
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欠陥住宅が社会問題化して、とくに注目されているのが、工事中の施工状況チェックだ。本来、監理者が責任を持って行うべきなのだが、施工業者や設計者が兼務することが多いために、チェック機能が十分に働かないケースが少なくない。また、行政によるチェックも、これまで工事完了後の検査しか義務づけられておらず、肝心の建物の構造部分についてはノーチェックに等しい。しかもその完了検査さえ、実施率はきわめて低かった。平成11年5月施行の改正建築基準法では、新たに中間検査制度が設けられたが、実施内容の詳細は各自治体の判断に委ねられている。欠陥住宅に泣かないためには、施工業者まかせは禁物。施主自信が、工程の節目節目に現場に出向き、出来上がりをチェックし、進行状況の報告を受ける必要がある。しかし、素人では判断が難しいことも多いので、第3者の建築士に監理(設計と施工のチェック)を依頼する方法も検討の価値があるだろう。
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駅から現地までの安全性チェックも重要
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立地を調べるとき、ついつい最寄り駅から現地までの所要時間などの利便性に目が行きがち。もちろん駅から遠いか近いかは重要な要素だが、それ以外にも調べるべきポイントはある。大切なのは2つの安全性だ。1つは交通。いくら駅から近くても、交通量の激しい道路を通ったり横切る場合は、歩道や横断歩道、歩道橋などが整備されているかどうかがポイント。特に小さな子供がいる家庭では、子供と一緒に歩いてみること。2つめの安全性は、夜間の防犯にかかわること。たとえば「閑静な住宅街」というのは、裏返せば、夜間は人気のない淋しい町並みになる。街灯きちんと整備され、死角のないように明るく道路を照らしてくれるかどうか。これは、夜間に実際に現地に行って、女性の目で確かめないとわからない。どちらも命に関わることだけに見逃せない要素だ。駅から近くても危険なアプローチと遠くても安全なアプローチ、どちらを選ぶべきかよく考えてみよう。
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引っ越し料金の目安はどのくらい?
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引っ越しを頼む会社は、ひと昔前の「運送屋さん」のイメージから引っ越し専門サービス会社へと様変わり。単に荷物を運ぶだけでなく、サービスの内容も多彩だ。大きくわけて、家財道具の搬出入と大型家具の設置のみを行う基本タイプと、小物の梱包、荷解き、収納まで行う引っ越し一式お任せタイプがある。基本タイプの料金は、荷物の量、部屋数、トラック重量、輸送距離、エレベータのあるなし、車の横付け可能かどうか、などによって違う。関東運輸局によると、100km移動した場合のモデル運賃・料金は、1階住戸の1DKまでの単身者で、2t車1台、運転手1人・作業補助1名なら、5〜6万円。3DKまでのファミリーで、4t車1台、運転手1人・作業補助2〜3人なら10万〜12万円となっている。この他に、お任せパックの場合は、業者やサービス内容によって大きく変わるが、基本タイプに5万円から10万円プラスした金額が目安になる。
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面識のない工務店には相談しづらいのだけれど…。
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確かにはじめての工務店では、いきなり事務所に行って相談するのは勇気がいることかもしれませんね。まずは、見学会や現場で話をすることをお勧めします。その工務店が手掛けた現場を実際に見ることで、安心感や信頼感は生まれます。まずはお近くの会場を検索して、お気軽にお出かけになり、いろいろ質問をしてみてください。きっとよい工務店との出会いの場となることでしょう。
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将来に備えて、増改築のしやすさも考えたいのですが…。
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構造にもよりますが、基本的には増改築の自由性に優れているのが注文住宅です。規格型住宅の場合、構造上変更できない部分が多いため、思い通りの増改築ができないケースが多いといわれています。また、地元の工務店なら増改築工事を頼みやすいという点も見逃せないところ。比較的小さな工事でも気軽に依頼できるということは、意外と大きなメリットです。
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アフターサービスは大丈夫なの?
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注文住宅を手掛ける工務店は、地元に根づいた展開をしています。だからこそ引渡し後も末永く付き合えて、いつでも相談できる安心感があるのです。家は何十年も住み継ぐもの。むしろ、建てた後の方が大切と言っても過言ではありません。いざという時に頼りになるパートナーかどうか、という基準も念頭に置いて、工務店探しをしましょう。
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注文住宅は自由だといっても、制約はないの?
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法で定められた構造強度の基準などがクリアされれば、間取りや外観など、基本的には制約はありません。建築の際は、工務店にご相談ください。
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注文住宅を上手に建てるコツってあるの?
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注文住宅は、基本的にはどんな家づくりも可能です。だからこそ、ご家族で十分に話し合って希望やイメージを固めておくことが大切。そのためにも、見学会や現場を実際にご覧になることをおすすめします。また、工務店ともじっくり打ち合わせをして希望を伝えましょう。それが十分にできるのも、地元の工務店ならではのメリットです。
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注文住宅って高くないの?
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予算に応じて、きめ細かな提案ができるのが注文住宅のメリット。商品仕様や建材などを自由に選ぶことができるので、コストダウンを徹底する部分と費用を掛けてこだわりたい部分とを分けて、柔軟に家づくりをすることができます。つまり、予算の範囲内で最も希望にかなう住まいに近づけることができるのです。
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土地が狭いのだけれど、注文住宅なら対応してもらえるの?
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狭小敷地や変形敷地に快適な住まいを実現できることこそ、注文住宅ならではの特長です。自由設計の利点を十分に活かし、限られた土地を最大限利用することが可能なのです。当サイトでは狭小・変形敷地を上手に利用した家づくりの実例や、対応ノウハウをご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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工務店さんの保証体制はどうなっているの?
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工務店ごとに保証に関する取り決めは異なりますので、工事をお願いする際にはどのような保証・補償制度が設けられているのか、事前に確認しておきましょう。『瑕疵担保期間の10年義務化』(下記参照)といった、法によって義務づけられた保証もありますので、基本的には安心です。プラスアルファで、保証やフォロー体制の充実している工務店なら、なお安心と言えるでしょう。代表的な保証・補償制度を以下にご紹介しますので、チェックしてください。
・瑕疵保証の10年義務化
- 建物の完成引渡し後10年間、基本構造部分に発生した瑕疵(=欠陥)について無償で修理などをする保証。
・建物完成引渡保証
- 建築途中で万一工事請負業者が倒産した場合でも、保証機関が業者に代わって建物の完成引渡を保証。
・地盤保証
- 地盤調査を行い、最適な基礎仕様または地盤改良を実施。それにも関わらず、地盤が原因で建物が損傷した場合には補修費用等を保証する。
・住宅ローン補償保険
- 建主が病気やケガ等で月々の収入が減少した場合でも、住宅ローンの支払いに困らないように所得を補償する。
・工事総合補償制度
- 工事中の事故・災害、それに施工が原因で損害を被った場合に対して補償する。
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注文住宅の見学会や現場ではどんな情報が得られるの?
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工事段階から入居後までのさまざまな家づくりのステージを見ることができる見学会です。展示場では見られない実際の現場を、ご自分の目でご確認いただけます。さらに、職人さんやご入居者様の、実感がこもったアドバイスを聞けるのも大きなメリットです。
当サイトでは、より効果的に見学会や現場をご覧いただくポイントをご紹介しています。ぜひご活用ください。
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注文住宅を建てたいと思ったら、何から始めればいいの?
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まず、良い工務店との出会いが大切です。地域によって気候や風土に大きな差があり、住まいもその地域性に適したものでなくてはなりません。そういった意味でも、地元に根差し、その土地を知り尽くしている工務店が、最も住みよい家づくりができる存在だと言えるでしょう。
当サイトでは、あなたの街にある工務店を検索していただけます。まずはお近くの工務店を見つけてお気軽に声をかけてみては。
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注文住宅で建てる人って少数派なの?
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大手住宅メーカーのテレビコマーシャルなどが目につく影響もあり、工務店などが手掛ける注文住宅は少数派では?と思う方もいらっしゃるかもしれません。ところが、現実は全く逆。日本で建てられている住宅の実に85%(2000年上半期実績)が、全国150,000社ともいわれる工務店により建築されているのです。この数字は、思い通りの住まいを実現できる注文住宅の良さが、広く、根強く支持されている何よりの証拠と言えるでしょう。
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注文住宅はどのくらい思い通りの家がつくれるの?
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注文住宅は規格型住宅と比べて制約が少ないので、外観のデザインや間取りはもちろん、パティオ(中庭)などのアイデア空間づくりや細やかな収納、内・外装材、さらにバリアフリーや介護に至るまで自由に選択・実現することができます。
当サイトでは、そんな注文住宅のメリットを存分に生かした『世界でたったひとつ』の住まいづくりの実例をご紹介しています。ぜひご覧になって、注文住宅の魅力を感じてください。
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注文住宅は規格型の住宅とどう違うの?
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同じようなデザインの住まいをあちこちで見かけた経験はありませんか?それは住宅メーカーなどが手掛ける、規格型といわれる大量生産の住宅。建てる人の希望を全てカタチにした家とは言えないものです。その点、一からプランニングをしていくのが工務店などの手掛ける注文住宅。それぞれの住まいへのこだわりを実現し、ほかのどこにもない自分だけの住まいという、何物にも代えがたい満足を手に入れることができるのです。